いちばん簡単でいちばん詳しいDX-SR9Mのデジタルモード付きの局免申請のし方。

アルインコのHFオールモード名機DX-SR9M/J

名機なのに技適無しで申請が面倒。名機なのにネットを探しても開局申請したという報告があまり無い。6エリアのOM局長様がTSSでデジタルモードを保障認定したことを報告されているが取説通り・メーカーの系統図で、ということになっている。アマチュアのデジタルモードは去年簡素化されたので取説とメーカーの開示している情報通りだと簡略化前の内容になっているから整合をとるのが面倒。

12年以上前に当局のデジタルモード申請をしたときはTSSやら総通から問い合わせが来て回答書を作ったりして非常に面倒だった。さすがにデジタルモードが浸透した今はそんな面倒な事にはならないだろうけど、今回もなるべく楽したいし、附属装置を少しいじったくらいで再度申請とか必要無いように申請したい。

ということでDX-SR9Mを使ってデジタルモード有りで、できる限り簡単な内容で保証認定と免許申請をしてみる。今回は初めてJARDの保証認定を使ったがTSSでも同様だと思う。ちなみにアルインコが商品ページでTSSではなくJARDを推しているのはAlincoがJAIA加盟メーカーだからと推測した。JAIAの関連団体リンクにあるアマチュア無線関連団体の順列ではJARDが先頭にあってTSSが一番最後にあるからJAIAの2社に対する扱いが読み取れる。アルインコの商品ページでJARD推しになってるのは、TSSよりもJARDを使ってくれというアルインコの隠れたメッセージだろう。(並びは50音順だろうと言われればそうかもしれないが、JARDとJAIAは関係性が深い。)

局免申請の「事項書及び工事設計書」
13 電波の型式並びに希望する周波数及び空中線電力

3アマさんは10M、14M無しで。

15 備考 簡素化デジタルモード手続きのキーワード「デジタルモードのため附属装置(PC)を接続」を書いておく。
16 工事設計書 工事設計書の中は後述。
添付書類 JARD/TSSから送られてきた保証認定の書類を追加。

16 工事設計書の工事設計書編集から工事設計情報入力を行う。基本的には取説から拾って次の項目を埋めるが、取説からは変調方式の入れ方が分からない。画像参照。
・発射可能な電波の型式及び周波数の範囲
・変調方式
・終段管
・定格出力
・添付書類:後述

電波の形式を入れるのが面倒。

添付書類には送信機系統図を追加する。画像ではPDFを添付しているがJPEG二枚でも良いはず。
1ページ目は取説をスキャンしてDX-SR9M(50W機)の内容だけにしたもの。取説はDX-SR9J(100W機)と共用になっている。
2ページ目は附属装置の接続を書いたもの。これが今回のポイント。メーカーの説明のようにモードごとの細かい諸元は書かない。

スキャンした画像をちょっと編集する。

取説やメーカーの説明ページにある送信器系統図は簡素化されたデジタルモードの手続きから照らし合わせると冗長すぎるし、将来新モードを追加する場合は申請内容との不整合で疑問が生じる。

DX-SR9Mは最初から50Wに設定された送信機だから3アマでも問題なく保証認定されるが、DX-SR9Jを50Wに設定した送信機を3アマが申請する場合はメーカーかJAIA加盟店(販売店)が作成した「空中線電力50W固定措置に関する証明書」を添付する必要があるかもしれない。1アマ・2アマの場合は改造箇所の写真とパワー計で各バンドの出力を測定している写真を添付すればOK。移動する局の申請で面倒に巻き込まれたくなければ1アマでも最初からDX-SR9Mを買う。

名機なのに高めのハンディ機くらいの値段しかしないから誰もが買いやすいのに10W機の設定が無く、残念ながら4アマはこの名機を使うことはできない。仮に送信ができる状態のDX-SR9M/Jをアンテナを繋ぐと不法無線局の開設に対する罰則として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せらるほどの犯罪行為。3アマか2アマにステップアップしてこの名機を堪能しよう。

スタンド充電器の中を確認。

ICOMのハンディトランシーバー用の急速充電器、スタンド型だから置いて使うときなど便利なのに基本別売でそこそこ高価だからオプション商法などと揶揄される。

現在唯一のハンディ機ICOM IC-T70もそのパターンでこの機種専用のBC-191が入手できなくなる前に買った。

まあ、ごく普通。

アイコム製の機器はこのあたりのカッチリ感がアルインコ製より良い感じ。アルインコのDJ-X7なんかはスタンドチャージャーが附属してるけどなんかグラグラしてて接触不良気味になったりする。

BC-191は本体ときちっと勘合して気持ちがいい。でも値段が高いのに中身が接点だけとか有り得ないし、とりあえず分解してみた。

回路のトレースはしたくないくらいの集積度。ルネサスの8ビットマイコンμPD789112、富士通のレギュレータIC MB3759、JRCのオペアンプNJM2904 なんかの国内メーカーの集積回路が載っている。基板も多層基板で受動パーツ類もしっかりした印象。アマチュア無線機用としてはもったいないくらいの作り。

アイコムのメイド・イン・ジャパンへのこだわりを感じた。

摺動式変圧器の中を観察する。

東芝の商品名スライダックで一般に通じる摺動式変圧器、よく見るものは円筒形のケースに入って調整ツマミが上面にあるタイプ。

手元にあるのはそれとは違って角型のケースに入って電流計、電圧計、スイッチ、ヒューズが内蔵されたもの。メンテナンスのために中を開けてみる。

山菱電機では「ボルトスライダー」と呼称する。東芝はスライダックの後継として山菱のボルトスライダーを推奨しているが、古くからある技術で作られるものなので他のメーカーでも品質に大差は無い。スペックは入力100V、出力0~130V 15Aでごく普通。トランス本体は横に固定されている。重量があるのでゴムのスペーサーで下、左右を支えている。電流計、電圧計はともに信頼の横河電機製でCLASS 2.5のJIS規格品。

スライドトランスの製品で電流計とヒューズを内蔵したものは結構少なくて、電圧はダイヤルに目盛りが付いていればだいたい分かるものの、電流は電流計やクランプメータを使わないと全く分からない。それに電流ヒューズを内蔵していないものも多くて安全に使おうと思うと木板に円筒形のスライドトランスと電流計、電圧計とサーキットブレーカかヒューズを固定した治具を作ることになる。これが結構かさばって取り回しが良くないし上に物を置けないから場所を取るしでスマートじゃない。その点、既製品で角型のスライドトランスは高価だけれど便利。

電圧降下でトランスが必要になる状況なんてよっぽど大電流を長い引き回しで使うのでなければ、商用電源が安定している現在の一般家庭では必要無いが、ちょっとした電気の実験をしたいときに昔ながらのスライドトランスは一台あると助かる。

参考: 直流安定化電源を分解してみた。
https://mzex.wordpress.com/2019/09/07/14838/

1.9MHz帯 SSB解禁

官報号外第171号が告示された。1.9MHz帯のSSB解禁に関わる内容。

インターネット官報
アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める件の一部を改正する件(総務二四二)
https://kanpou.npb.go.jp/20200819/20200819g00171/20200819g001710002f.html

・1.9MHz帯の電波の一括形式3MA、4MAに狭帯域電話、狭帯域データの形式を追加する。

・475kHz帯の電波の一括形式3MA、4MAに狭帯域データの形式を追加する。
・475kHz帯、1.9MHz帯で3MA、4MAが免許されていれば、追加された電波形式で出せる。
・1.9MHz帯でA1Aが免許されていれば、それは3MAとみなす。(475kHz帯はみなさない、また4アマは初の免許になるから申請が必要。)

ということで、A1Aの免許でも書き換え不要。

官報の内容だけからは読み取れないが、当該のバンドで狭帯域電話、狭帯域データの関する技適の認定が必要でICOM、八重洲の新しめの無線機なら同一番号による再認定がとられていて、これに該当していれば今日から運用してOK。載ってない場合の扱いが官報に「簡易な手続き」云々の話が出てなくて分からない。以前のパブコメによると届だけでいいらしいので正直1.9Mのアマ局なんて数が多すぎて文句も出やすいからいちいち相手にしてられないんだろう。技適の再認定をとってくれたメーカーの無駄払いになってないのか?

ICOM
電波法令改正に伴う技術適合証明(技適)番号取得手続き完了のお知らせ
https://www.icom.co.jp/news/5409/

YAESU

1.9MHz帯の拡大および電波型式追加に伴う同一番号認証取得について
https://www.yaesu.com/jp/amateur_index/support/1.9mhz.html

当局のFT-450Dの場合は同一番号認証取得が完了しており免許状も1.9Mの3MAだから、すでにQRV。

1.9MHz帯での速やかなSSB解禁を待つ。

アマチュアバンドの1.8/1.9MHzでSSBが出せるようになるのももうすぐ。まあ、HFローバンドですらやる気が無いのに中波なんてもっと面倒だからすぐには出ないだろう。でも免許が下りてない機械に1.8/1.9MHzのSSBを出す機能があるのも気持ち悪い。

アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める告示の一部改正案に対する意見募集の結果
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000459.html

これによると「総務省は、意見募集の結果を踏まえ、速やかにアマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める件(平成23年総務省告示第127号)の改正を行う予定です。」ということなので”速やかに”の意味を鑑みると1ヶ月以内には公示されるのだろう。

これの準備段階として、アイコムは早い段階から同一番号による技適証明取得の手続きの情報を掲載していたのに、ヤエスはしばらく音沙汰無しだった。使いもしないのに気が気でなかったが、ようやくヤエスも「1.9MHz帯の拡大および電波型式追加に伴う同一番号認証取得について」を公表した。当局のFT-450Dシリーズも完全に末尾扱いであるものの該当している。FT-450Dが入っているのにFT-450が無いのと同様に、FT-818が入っていてFT-817が入っていないあたり旧機種の切り捨て感が透けて見える。

これで当局の場合、公示後は申請無しでそのまま1.8MHzのSSB運用ができるようになる。次の条件を両方満たすことになった。

1.免許状の1.9MHz帯の電波形式が3MAである。
2.1.9M帯HzSSBの技適が同一番号で通っている。

1に該当しない1.9MHz帯の電波形式がA1Aのみの場合は免許状の変更が必要。免許状が3MAになっているが 2に該当しない機器を使っている場合は変更申請が必要。申請は非常に簡単で工事設計書の15備考欄に「1.9MHz帯での音声通信のため」などと記載して総通へ届出するだけ。まあ総通も税金を取り立ててるとはいえ全国40万の局長をいちいち個別に相手にしてられないだろうし。

※アマチュア無線の周波数帯として免許上は1.9MHz帯。実際は1.800~1.875MHzの1.8MHz帯と、
1.9075~1.9125MHzの1.9MHz帯で、SSBができるのは1.800~1.810MHzと1.825~1.875MHz。