ATUのアースをどうしたらいいのかわからない。

ATUでロングワイヤーアンテナを使う送信機系統を描いたがATUにつなぐRFアースがよくわからない。

アマチュア無線家超OM諸氏のブログやウェブサイトを拝見するとこの点についてさまざまな考察がなされている。把握した内容を羅列すると…

・ATUのアースは大地に接地するか、接地せず適当な長さのケーブルを接続してその辺に転がす。
・ATUのアースにつなぐ接地しないケーブルは1/4λまたは1/4λより少し短いものが適当。
・ATUのアースにつなぐ接地しないケーブルは運用するバンドの1/4λに相当するケーブルを複数本つなぐとよい。
・ATUのアースにつなぐ接地しないケーブルの本数は多ければ多いほど良い、100本とか200本じゃないとダメ、逆に5本程度を超えるとさほど効果は変わらないという見解も。
・ATUのアースには面積のある金属板や金網をつなぐとよい、あるいはケーブルとそれほど効果は変わらない。
・ATUのアースにつなぐ接地しないケーブルはカウンターポイズである、あるいはカウンターポイズではなくラジアルである。この目的のケーブルは「ラジアルケーブル」と呼称して市販されている。
・ATUのアースはつながなくても良くチューニングが完了する。完了することもある。
・ATUのアースは手すりにでもつなげばよい、電気的に長くなりより(VSWR・電波の飛び的に)効果がある。あるいは感電のおそれがあるので集合住宅の手すりなどにつなぐと危険。

正直わけがわからない。

正解は無いとしている無線技士の意見も散見されるが個人的には防護指針的に人体および建物および無線機および家電その他機器に危険や障害が及ぶ行為はNGと考える。

個人的な現時点の見解として

1.ATUにつなぐ接地しないRFアース線を地面に這わせない場合「ラジアル」として動作する。→電気的長さを1/4λ付近にする必要あり(必須)。RFアース線には定在波が発生し、終端部は電圧腹となり感電の危険があるため絶縁する(必須)。
2.ATUにつなぐ接地しないRFアース線を大地に這わせる場合大地と静電結合した「カウンターポイズ」として機能する。→電気的長さを1/4λ付近にする必要なし。面積が広い金属板や多数のケーブルを用いると静電容量が増加して効果的。ケーブルの本数を多少増やしたり長さを多少変えて効果が変わる場合は単に容量不足。※ちなみに2Fベランダ(高さ3m)に2㎡程度の金属板を置いた場合の対地間の静電容量は9pF程度と推定される。HF帯域でこの程度の静電容量では対地と結合しているとは言えない。
3.ATUにつなぐ接地するアース線は保安アース(静電気的感電防止)として機能する。RF的にもアースとして機能するが、大地までの距離が長い場合はエレメントとして機能する可能性があり、周波数に依存するため不安定な動作をとる。このため取説などでATU付近でチョークコイルを挟むことになっている。→保安アースはRFアースとして機能させてはいけない(必須)。
4.1~3の内容よりベランダの手すりなどに無闇にATUのアースを接続してはいけない。
高周波電圧がかかるので予測できない場所に電圧腹が表れて感電・火災のおそれ。
5.コンセントのアース端子などにATUのアースを接続すると大地までの経路のアース線がエレメントとして機能する。アース線の耐圧・絶縁は電灯線の基準であって高周波の絶縁は不明なので感電・火災のおそれ。同一経路で接地された他の機器に回り込み障害を発生させるおそれ。チョークでRFをカットしたうえで保安アースの接地経路として利用するのは有り。
6.ATUのRFアースを接続しない場合は同軸ケーブルのアース側がRFアースとして機能する。手元のATUの内部を見る限り、同軸の網線とRFアースの端子は基板上同一のベタアースのパターンで接続されている。→RFアース無しで動作させるのは同軸ケーブル網線や無線機筐体にRFが乗って危険。ATU付近にクランプコアを取り付けてRF的に絶縁するのは予防策として有り。この場合マッチングが取れないからといってクランプコアを外して調整するのは同軸ケーブルをラジアルとして動作させていることになる。

よくわからないことも多いが、ATUにつなぐアース線は利用する周波数の電気的長さ1/4λ程度のコードをバンド本数分接続するのが良さそう。アンテナ側エレメントの状態にもよるので必ずしもアース線側にRFの高電圧がかかるとは限らないが、基本的にはラジアル動作になるので先端部は電圧腹になるため絶縁はきっちり行い、人が容易に触れる場所や可燃物付近には通さない。

移動運用とかで地面付近に設営できる場合は短いケーブルで大地にRFアースをとるか、金属板や大量のケーブルを地面に直接配置して静電容量を稼ぎカウンターポイズ動作をとらせて電気影像で効果的にエレメントを動作させることができると思うが、少なくとも2F以上のベランダでカウンターポイズ動作をとらせるのは難しいはず。ベランダ設営している人のブログでは本数でどうこうという記述が多いのはカウンターポイズではなくラジアルとして動作しているからだと推測。

ラジアルを複数本接続すると効果的になるのは電気的長さが1/4λになるケーブルが他と比較してインピーダンスが低くなるわけで、電気の性質上インピーダンスが低いところに電気は流れていくから単に複数本の異なる長さのケーブルを束ねて接続しておくというのは理にかなっているが、ラジアルとして動作させているので闇雲に本数が多くても意味は無いし、どのケーブルに電圧腹が現れているか推定しにくくなるので管理上危険な気もする。金網を接続すると良いというのは長さの異なるケーブルを接続しているのと同じなのでこれも良い案ではあるが、単バンドなら兎に角、マルチバンドだと動作が良く分からないし、途方もなく面積を広くとれればカウンターポイズ動作になってくるかもしれない。

それぞれの環境で最適なRFアースの取り方が異なるので思考実験と実際では異なってくるのだろう。基本的にはVSWRがある程度下がってRFに感電したり放電が発生して火災につながらないように注意する。

ATUのアースをどうしたらいいのかわからない。」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: の回想録

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