アクティブチューニングアンテナを分解してみた。

今回の開局で用意した八重洲無線のポータブル向けのマニュアルチューニングアンテナATAS-25。これ一本で7MHz~430MHzに使える。50MHz以下はエレメントの本数(長さ)と可変コイルを使って手動でチューニングを行う。

YAESU ATAS-25
https://www.yaesu.com/jp/amateur_index/product/atas25/index.html

手動で調整するから感触でだいたい構造は分かるが、かんじんのコイル部がどうなっているのか実際に覗いてみたい。一度も送信の用に供していないのに分解してみた。ネットを探しても同じ系統のATAS-120は結構使ってる人が多くて分解や改造してる情報も多いのに、ATAS-25は人気が無いのかレビュー以上の情報が無いし、分解したという記事も見当たらない。捨てるわけではないので壊さないようにばらしたい。

参考: ATAS-120の分解動画。
https://www.youtube.com/watch?v=qnAspadviaE
https://www.youtube.com/watch?v=E1uhZmKgIy8

グリップ上部ゴムをずらすと3本のネジが出てくるけど、どうやって分解するのかよくわからない。グリップ部をねじっていたらヌメっという感触とともにグリップ部が上下に分かれた。ここを外したいわけではないのに。

グリップ部は上の部分と下のゴツゴツが別部品で構成されて接着剤でくっついている。簡単に外れたのは夏の暑さで接着剤が緩んでいるのもあるのだろう。外れた部分から覗くとコイルがちょっと見える。上部グリップとその上のエレメントをつけるアルミ製のスリーブをどうやって外すか考えたが妙案が出ないから力まかせにねじったら外れた。この部分は接着されておらず、グリップ部のプラに圧入したうえでアルミのリングに3か所ネジで止めされている。

まあまあ予想通りの構造。ここがこのアンテナ最大のポイント。コイルは15mmのベークライトの筒に溝が掘ってあり、それに沿って0.5mmの裸銅線が0.5mmの間隔をあけて1mmピッチで巻かれている。コイルにはアルミのリングでできた「摺動子」がはめられていて、真鍮の板バネでテンションがかかったベアリングボールを使って2方向から押さえてタップとしている構造。これがコイルの間隙に沿って回ったり、溝を飛び越えて上下方向に動かしたりすることでタップ位置を変更するようになっている。エレメントの重さを支える摩擦のためか、コイルにグリスやオイルは塗られてはいない。コイルより上はストッパーがついててグリップ部全体が抜けないようになっている。これを壊して抜いてしまうとベアリングの玉を無くして使えなくなる。このアンテナ、全体的に華奢なのか壊したと報告してる人が複数見つかる。

各部の長さはだいたい次のような感じ。

・上部スリーブの長さ 207mm (上部エレメントの一部)
・コイル 全長 168mm φ15mm 無メッキ銅線0.5mm ピッチ1mm (センターロード)
・下部の基台からコイル下部 297mm (下部エレメント)

上部エレメントはアルミ製のロッド3本をつけたり外したりするので上部スリーブは上部エレメントの一部として機能する。50MHzはロッド無しと指定されてるので上部スリーブだけがエレメントとして動作する。基台部はステンレス製でHFのラジアル電線と144MHz、430MHz帯用のラジアルロッドを取付できるようになっている。これには黒い樹脂製のキャップがついており何か秘密がありそうな雰囲気。これも外してみる。申し訳程度に接着剤がついているが少なすぎて防水にも外れ防止にもなってない。

ぜんぜん秘密なんてなかった。単にコイルから伸びているであろう線がMコネクタの芯につながってるだけ。この部分はステンレス製。これで全体の構造は分かった。

形式的には下部エレメントが30cm程度ある中間部負荷型の1/4λ短縮ホイップ。2m、430MHzはL型グランドプレーン(もしかしたら頂部負荷型?)。グリップ部を一番下に押し下げてもコイルは数周残った状態になるからロード部無しにはならない。この構造だとラジアルは必須。2mの動作は下部エレメントが1/4λ(51cm)の半分少々しか無いのでコイルが中間部負荷として動作するのかもしれない。430MHzは下部エレメントが1/4λ×波長短縮率95%の33cmより少し短いからこれもコイルが負荷になっているのだろう。どちらかというと2m、430MHzの対応はFT-818向けのおまけ機能かな。

きちんと調整すればマッチングも完全に取れるし、HF/50MHz帯はローディングコイルはあるがエレメントも長くて構造もまともだから変なブロードバンドアンテナなんかよりは良く飛ぶだろう。

いちおうレビューというか使用感。調整は直感的で良い。おおまかな調整は受信の雑音で、細かな調整は送信してVSWRを見る。うまく調整できればVSWRが1.0付近までスッと落ちる。このアンテナ調整のエクスペリエンスがおもちゃっぽくてアマチュア無線らしくて良い。短縮型なので1.0きっちりに落とすのはシビアだが、FT-450Dとの組み合わせなら内蔵ATUが使えるから、1.5くらいまで追い込んだらあとはATUに任せる手もある。想定されてる組み合わせのFT-818なんかのATU無しだと面倒かも。コイルは自由に動かせるのでアマバンド外のBCLにも使える。

全体的なつくりは華奢で外に出しっぱなしでは使えない。エレメントがアルミ製で雑に扱うと折れたり噛んでネジ山潰しそう。改造でステンネジ使うとアウトかも。三脚台座を用意することが前提になってて、固定用には無理でも移動運用ならRHM8BみたいなBNC直付けより構造的には安定。アンテナ専業メーカーでも付けないような不格好なラジアル線が標準装備なのは、この製品がまじめに作られている証拠。入力の同軸ケーブルがラジアル動作にならないような配慮は要る。

アクティブチューニングアンテナを分解してみた。」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: HFブロードバンドアンテナを分解してみた – の回想録

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