6石スーパーラジオのキットを組んだ。

6石スーパーラジオのキット科学教材社のKT-601を作った。国産メーカ由来の正当派ラジオキットはもうこれだけだと思う。 科学教材社のサイトによるとCHERRYのKM-66(CK-606)のリメークキットらしい。ここしばらく、あきれるほどラジオキットを作り続けてる。

元のキットを作ったことは無いがCHERRYの4石レフレックスはずいぶん前に作ったことがあってそれを思い出すと
・型番の系統が違う。CK-??? (CKはCHERRY KITの略?)、KM-???ではなくKT-601。
・CHERRYのロゴがどこにもない。パッケージは無地の白い箱。製造はもはや明光電機ではないのか?
・ケースが中国製。当初の4石もそれほど精度はよくなかったし出来はあまり変わらない。
・ケースのシールは自分で貼る。銘板シールの表記は「6TR」ではなく「KIT601」。
・検波ダイオードがショットキーダイオードの1N60P。中国製の微妙なトラ検スーパーよりはこの方式のが良い。
・バリコン・バーアンテナ・IFTが現行品(中国か台湾製?)。
・トランジスタはすべて2SC1815GR、おそらく海外製。TO-92パッケージっていうだけ良い。

1N60P。点接点ゲルマダイオードの1N60とは別物。AF段の温度補償D2と区別するために手作業で白いペイントが施されている。


前回組んだCK-666と比較すると組立は簡単。2時間もかからない。でも調整が難しい。
・低い周波数側で局発の振幅が小さくなり、そして止まる。(未調整でFosc=1120kHzくらいで止まる=665kHzが下限)
・最良にIFTを調整すると特にNHK第二909kHzあたりで発振する(モーターボーティング)。1000kHz以上の局でも発振する。CK-666より基板が小さいので結合が発生して発振しやすい。
・ハトメで仮止めされている音量調整VRはツマミとケースの現物で平行を合わせてからはんだ付けする。はんだ付け後に修正するのは手間。

CHRRYのキットはだいたいこんな感じで調整が不十分でも感度が不足しないようにゲイン過多になってるのかもしれないけど、発振しやすくて局発が止まるキットはやっぱりどうなんとか。CK-666と回路を比較するとRF側電源ラインに47μFの電解コンデンサがついていることと発振のTR回路の結合コンデンサの容量が違うくらいで、他の定数は同じ。この結合Cを変えれば発振が安定する可能性はある。 科学教材社のヤフーショップのレビューでは二人とも「低い周波数が受からない」「バリコンとの相性が悪い」 て書いてあって、低い周波数が入らないのは同じだけど、その結論が二人ともバリコンとの相性っていう結論に達せる理由が自分には理解できなかったが精確なSSGで調整できる環境のようだから、きっとすごい技術で解析したのだろう。うちには確かな技術もければ、バーニアが滑る不精確な台湾製SGしかないから、オリジナルを尊重して部品変更なしで調整で動くようにしてみる。学校で習う程度の貧弱な技術の粋を結集する限り、発振が止まるのは発振回路の帰還量が少ないためだと考えたのだが、すごい技術の手練れがこぞってバリコンのせいにしているのは、素人の測定器では計り知れない理由があるのだろう。とりあえずAM放送周波数すべて受信ができる状態にすることが目標。

・発振トリマの容量を減らすと低い周波数でも発振停止しなくなる。
・発振コイルの容量を増やして975kHz(受信920kHz)あたりまで下げられるようにする。
・IFT調整を少しブロードな特性にして感度を落とす。(黄、白のIFTを互いに少し反対側に動かす)

局発の範囲が910kHz~2205kHzくらいになった。受信周波数だと455kHz~1750kHz。AMラジオとしては広すぎるけど狭めると低い周波数で発振が止まる。とりあえずAM放送バンドすべてで発振が止まらないようにはなった。低い周波数はトラッキングエラーか感度が下がるが、700kHz以上は十分で夕方から中国、韓国あたりの放送も受信できる。

KT-601はちょといじらないと不安定なところがあって、ゆったり基板配置のCK-666より調整が難しいしケースはチープな感じもあるものの、伝統的な構成を引き継ぐラジオキットとしては最後だし組んでみる価値はある。

— 後日談 —

手を加えて、もう少し安定に動作させるためには局発を安定させて、浮遊容量による結合帰還の発振を抑えればよいが、交換に供する部品もないしオリジナル部品はできるだけ変更したくないから背面でのセラコン追加にとどめる。局発の帰還を構成する結合コンデンサに0.01μFのセラコンを並列につないで、検波ダイオードの後の1kΩの後ろにも0.01μFのコンデンサを配置した。980kHz~2070kHz(受信周波数525kHz~1615kHz←標準的な531kHz~1602kHzより1ステップ9kHzだけ広い範囲に設定)で安定して発振するようになった。

そしてIFT3とバーアンテナの間にシールド板を配置。ここもオリジナルをいじりたくないから薄い生基板を切ってIFTに抱かせるだけにした。こんなのでも結構効果がある。トラッキングを完全にしても910kHzでの発振以外は撲滅。

残る問題の910kHz付近での発振はIFの455kHzの2倍高調波910kHzが回り込んでいるため。軽減するにはRF~IF段のどこかのゲインを抑えるか、シールドをさらに強化するか、部品配置を変更しないといけない。面倒なのでIFT3(黒)の同調をずらしてIF段のゲインを下げることにした。IFT3はIFT1(黄色10kHz@-3dB)、IFT2(白5kHz@-3dB)と比較して変なくらいなだらかな特性(500kHz@-3dB)だから選択度の確保をIFT1、IFT2で担ってIFT3は全体的なゲインの設定になる。IFT3を455kHzからずらしていって、発振しなくなるところで妥協。セットとしての感度は低下するが動作は安定する。NHK第二909kHzだけはビートがうるさい。

さらに910kHz発振の追い込みを行った。バーアンテナを可能な限りバリコン側に寄せるだけ。これでもそれなりに効果があった。この状態でIFT、バリコントリマでトラッキングを完全に行う。アンテナコイルを動かす調整の段階で発振が始まってしまうのでどこかで妥協する。アンテナをケースの外に出してIFTから十分離すと発振はしなくなって感度も十分に良くなるが、もはやケース付きキットの意味が無くなるのでオリジナルを尊重して魔改造は行わない。

このキットは基板上のレイアウトが致命的でIFTがバーアンテナと結合しやすいのでIF2段増幅の性能を発揮しきれないのが残念。取説どおりに組んで安定動作の設定をとると感度は4石レフレックスより少し良いくらい。上に書いた対処法を行うとCK-666ほどではないが夜間のKBS、CRI、平壌放送がそれなりに入るようになってスーパーらしい動作になった。

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