市販品みたいな本格的ラジオキット

アナログ短波ラジオの仕組みが知りたくて中夏牌 ZX-623を作ったが、短波側が受かるのは15.0~15.5MHzくらいと狭く、短波ラジオとしては残念仕様。

今回は「本格的」とうたわれてる短波対応のラジオキットを組んでみた。

FM(76~108MHz)/AM(520~1700kHz)/SW2バンド(3~10MHz/10~22MHz)の4バンド構成で簡易な短波ラジオとして極めて市販品的。海外製品でよくあるFM80~108MHzでないところもポイントが高い。とっとと組み立てて調整。組立に1日、調整に2時間程度かかった。 市販品をキット化したもののようだから、組立キット用として設計されたものより複雑でキットとしてはかなり難しい部類に入る。チップ部品は実装されている(ICは自分で付ける)が下手にいじるとチップ部品を飛ばすし、ジャンパの配線すら回路図が読めないと難しい。本来は工場の手慣れた工員が、調整ジグ類も用意されたところで組まれるものを、一般家庭の工具類と手練れの職人技無しに組み立てるのだから難しいのが当然といえば当然。工場の組み立てで1日もかけてたら日当5000円はくだらない。

写真は調整が完了してない状態。バーアンテナは調整時にもっと抜いた。右下のFM用コイルは調整が一旦終わって開いた状態になっている。

回路図は公開されてないので組立説明書に載せられているものを参考にする。買わない人向けには公開されていないから掲載はできないけれど、MW/SWのチューナーは次のような構成になっている。

・MW/SWの同調、局発回路は3組6個のコイル、トリマコンを持つ。
・MWの同調コイルはバーアンテナ、SWの同調コイルは角型のコイル。
・ポリバリコンはMWの同調、局発と共用。多接点のスライドスイッチで切り替える。
・SWの同調、局発コイルはそれぞれトリマコンとセット。

中夏牌のSW帯はポリバリコンのFM部を流用してチューニング範囲が500kHz程度と狭いが、このキットはバリコンのAM側を完全に切り替えるので7MHz/12MHzと広い範囲で同調する。知ってしまうとどうということも無いが、回路を見てなるほどと思った。調整のしかたも載っていて、手持ちのディップメータとデジタル表示の短波ラジオで何度か調整しているとだんだんトラッキングが合うようになってきた。ただ短波用アンテナと称して4m程度のリード線が付いてくることからも推測できるが、完全に調整し切っても超高感度というわけでは無さそう。10年ほど前に買った市販の「手回し+ソーラー発電、ライト、携帯充電 (のあまり使い物にならない) 機能付きAM/FM/SWラジオ」の短波帯の受信感度はそれほど良くなくて似たような雰囲気だった。調整が完了した本機はそれより少し良い気がするが、バンドスプレッド方式のアナログ短波ラジオよりは良くない。

他の不思議ポイントとしては回し発電+ソーラーパネル+組み込みNiMH電池が電源で外部電源、乾電池は使用不可という謎仕様。イヤホンジャックも無し。基板の折り取る部分にはイヤホン、DCジャックのパターンがあるし、回路図にも載っているから上位機種では装備されているのだろう。国内メーカ品だとライト、サイレン機能なんかが付いてダイナモ部分がメインの教材になるんだけど、このキットはダイナモは組み込み済みであくまでラジオがメイン。あとバンド切り替えに関わるところに今ではレアパーツで普通RF部で使わないようなスチコンが使われているところも不思議。

キットも市販品もラジオはDSP化が進んでいて、ラジオキットでもアナログ回路でFM受信や短波受信対応のはもともと少ないし、このキットも中夏牌も貴重なものだ。だれでも簡単に作れて再現性が良いのも結構だが、はんだ付けメインで生産ラインの体験学習や工場の手練れパート工員になる職業訓練をしたいのでなければ、 回路の仕組みとか調整の仕方を身につけたい。

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