Panasonic RF-P155を改造して短波放送を聴いてみる。

Panasonicの普通のラジオがDSPベースに移行して久しい。

最安クラスのRF-P155R-P145がSi4836-A10を使っているらしく、素性が判っているなら改造も簡単なはずだと、さっそくケーズデンキで買ってきた。2000円。

RF-P155_1

※この手の機種を「初心者向け」と表現しているのをたまに見かけるが、ラジオの初心者って何やねんとか突っ込んどく。オーディオオタクのヒエラルキーじゃないんだから、チャチで安いものは初心者向け、上級者は高価なものを、なんて発想はリスナーの間口を狭めるだけ。昭和初期じゃないんだから。

最新のDSPラジオがどういったものなのか、気にはなってたので5分ほど普通に使ってみる。チューニングはアナログとは違うが、びっくりするほど普通の安物ラジオの音だ。(ICF-SW7600GRは間接自慢)

RF-P155_5

即日分解。中央の表面実装チップがSi4836。市販品の小型ラジオの組み立てだとあるあるで、イヤホンジャックのスリーブが筐体に噛み合って開けにくい。接着部は無いから割れないことを祈りながら斜め方向に強引に引き剥がす。

RF-P155_2

改造ポイント付近。R8の下側、R14の下側を500kΩ(Bカーブ)の可変抵抗器の両端につなぎ、バンド切り替えスイッチの中点を可変抵抗器のタップにつなぐ。バンド切り替えスイッチは真ん中にして接点を浮かす。

RF-P155_3

筐体を削ったり穴を開けるのもめんどくさいから、バンド切り替えスイッチのツマミを外してそこから線を引き出す。

RF-P155_6

両面テープでネチョっと固定したら、できあがり。ボリュームツマミを取り付けると尚良し。オリジナルの音量、同調ダイヤルはそのままにアンテナも干渉しない完璧なパッケージング。

見てくれはいまいちだがオールバンドのMW/SW/FMラジオになった。バンド切り替えはボリュームを回して少し静止するとバンドが切り替わる動作をするっぽい。FMアンテナにリード線をつけて延長すると、ラジオNIKKEI、CRI、KBSをはじめ朝鮮の声放送とか知らん国の短波放送がいろいろ聞こえてくる。ほかにもアンテナ回り(データシートではSWアンテナは外付けで1石プリアンプ付きが標準)をいじるとか、ステレオ化とか、トーンコントロール(Si4836に搭載の機能)とか、高音質化(スピーカ交換とかアナログ手法で)とか手軽に改造できそう。

参考にしたデータシート。

SILICON LABS Si4836-A10 – BROADCAST MECHANICAL TUNING AM/FM/SW RADIO RECEIVER
https://www.silabs.com/documents/public/data-sheets/Si4836-A10.pdf

Si4825/36-A ANTENNA, SCHEMATIC, LAYOUT, AND DESIGN GUIDELINES
https://www.silabs.com/documents/public/application-notes/AN738.pdf

TUNE2とGND間の抵抗値でバンドを切り替える仕組みになっており、リファレンスでは固定抵抗になっているが、はんだ付けはできるだけしたくないし計算も面倒だから可変抵抗器で実装した。目盛りをつけないとどこに合っているのかよく分からない。このスプレッド同調っぽいチューニングは案外悪くなく、バンドの状態をざっと知りたいときはICF-SW7600GRより軽快だ。短波は18バンドに分かれており、FM/AMも各国対応のバンドがあったりする。すべてのバンドが使えるかは試していないので不明だが、本来想定されてる固定抵抗で実装するほうが使い勝手は良いかも。

※何か勘違いしている人も居るようだけれど、この方式のラジオのチューニングVRは単なる入力デバイスでしかなく、DSPチップが安価な入力装置として可変抵抗器が使えるように作られてるだけ。VCOのバリキャップダイオードに直接電圧を印加する分圧抵抗なんかではない。いにしえのテレビゲーム専用LSIのパドル用VRみたいなもん。バンド切り替えも同様で抵抗切り替えは単なるバンド切り替えの指示であって、DSPチップ内蔵のプログラムがその抵抗値か電圧比を読み取るようにしているだけ。

aitendoなんかのDSPチップ使用の電子キットラジオやモジュールを改造する記事は探すと結構出てるのに市販DSPラジオの短波対応改造はあまり見かけない。RF-P155の改造記事としては本邦初かも。本当はAM専用のR-P145で試したかったがケーズデンキの在庫が無かった。1,500円とか2,000円出せば同じようなDSPチップを搭載した中国製短波ラジオは買えるけれど、そのへんの電気屋で売ってる最安値ラジオに100円そこそこの部品をつけるだけで短波ラジオになるのがおもしろい。スーパーラジオの調整よりも簡単。

今のDSPラジオには短波コンバータなんて要らないな。

Panasonic RF-P155を改造して短波放送を聴いてみる。」への5件のフィードバック

  1. こんにちは。旧い記事にコメントありがとうございます。
    中国製のDSPラジオは日本の商社ブランドでも安くて筐体の音響特性は別にしても受信性能は安定してますね。
    この記事の後に安物DSPラジオを数個買い、そのまま使っても良し改造ベースにしてもよしで楽しいです。
    今は電子機器自作の時代でも無く、家電に手を入れるのは無理と思っていましたがまだまだ遊べます。

  2. こんにちは、
    改造についてあれこれ思案しておりましたところ「YOREK YK-901」というラジオを見つけました。
    パーツを購入するより安い! と思いポチりました。
    PANASONIC RF-P155は、見かけは裸の状態に近いですがFM放送ならPCのノイズを拾わないので気に入っています。
    近頃テレビ番組で「これは!」というものがすっかり少なくなり、度々ラジオを聞いています。
    YOREK YK-901は、PCのそばに置いて、これまでのSONY SRF-R433(PCのノイズを拾います)の代わり(アンプで増幅してSPを鳴らしています)に使ってみようと考えています。
    2年も前の回想録にコメントしてごめんなさい。
    一瞬の幸せがあれば、人はまた走りだせますね。
    ありがとうございました。

  3. こんにちは。ご覧くださってありがとうございます。
    ここではオリジナルを活かしましたが、はりぼて筐体交換もおもしろいですね。今は部品の情報をネット経由で入手できるようになったので、この手の改造の幅が以前より手軽にできるようになりました。

  4. 素晴らしい!
    一昔前だったら、雑誌に製作記事が載りそうです(秋月でパーツが手に入れば)。
    オールバンドでFMも聞けるとなれば相当な魅力がありますよ。
    バンド切替を付けて、減速ダイヤルに自作のメモリを付けて簡易通信型受信機はいかがですか。
    電源は、電池でもUSBから3Vに降圧しても、ACアダプター式でも良いのではないでしょうか。
    夢が膨らみます。ありがとうございました。

  5. ピンバック: SONY ICF-M780N は DSPラジオ。 – の回想録

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