オシロでテレビを見たい – ゼロの境地へ。

昨日の実験でオシロでテレビ映像が見えるようになったが、輝度が反転しているのが気に入らない。

使っているオシロスコープの仕様で輝度変調は0Vで明るく+5Vで黒になるようなので、普通のNTSCコンポジット信号の明るい側が+側である以上反転してしまう。そこで禁じ手の一つであるが、コンポジット信号の信号側をオシロのGNDレベルとすることで、相対的に輝度信号が反転するようにした。

CH1のプローブをBDレコーダの映像出力に接続。GNDのクリップで芯線、プローブはシールド側に接続する。CH1のカップリングはACにする。これで普通のNTSC信号が反転してオシロに入力される。(写真の映像信号は反転前)

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CH1出力と輝度変調入力(Z軸入力)を「ゼムクリップを伸ばしたもの」で接続。

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CH2入力は昨日と同じで、パソコンの音声出力に接続。PCからは59.94Hzのノコギリ波を出力。

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オシロを設定。

・CH1(コンポジット信号入力)はACカップリング、表示はオフにして消去。
・CH2(垂直同期のノコギリ波)の表示をオン。
・同期はTV-L、NORMを選択、ソースはCH1。TV同期が無ければACでもDCでも適当に合わせる。
・掃引時間は5usにしてCALを調整。
・CH2のV/divと時間軸のPosを適当に調整して管面全体に「走査線」が出るようにする。
・CH1のV/divで輝度を適当に調整する。

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掃引時間が長いと先の写真のような三角屋根状の波形が見えるが、掃引時間がノコギリ波の周期より短くなっていくとだんだんZ字が重なった「走査線」になり、さらに時間を短くしていくと走査線が密になることで面積を持った矩形となっていく。これはテレビ画面の描画の原理そのものだ。

で、NHK総合を見てみる。ネガ表示にならずにきちんと表示された。

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走査線が細かく波打っているのはPCの出力自体に歪、リンギングかあるため。大きな波型の波形はノコギリ波のエッジのオーバーシュート自体が見えてしまっているもの。もっときれいな走査線が描けるならD端子出力から取り出したHD映像だって出せる気もする。画面下の黒い帯は同期が外れて流れている状態で垂直同期信号が見えているもの。昔のアナログテレビはよく同期が外れてこれが見えるたびに調整していた。水平同期はオシロのTV同期トリガ機能できれいにそろってる。NTSCの水平同期はDCカップリングの通常トリガでもトリガしやすいので同じくらいきれいに見える。他の人がもっと手間をかけてやってる実装では、オシロのX-Y描画を使ったラスタスキャンで走査線を「ドット」にして画像を表現しているものを見かける。アナログテレビは本当に輝度が連続したアナログの「線」で描かれているから、白黒テレビを作った気になりたいならば走査線は連続しているべきだと思う。カラーブラウン管の場合はシャドーマスクがあるのでドットで表現されているようにも見えるが、動作としては信号も走査も連続している。アナログテレビの垂直解像度はラインの数に他ならないが、水平解像度は連続の変化に追従できる最高周波数になるわけで、パソコンモニタの解像度のようにきっちり何ドットとかそういうデジタルなものではないことを、今回ようやく理解した。

NHKは白黒受信料を適用でお願いします。

オシロに出力端子と輝度変調入力端子があるという条件はつくものの、もはや「オシロスコープでテレビを見る装置」はハンダ付けはおろか電子部品を一つも使わない境地に達した。これはオシロとテレビ、PCの音声出力に関する深い知見の元に達成し得た成果であって、決して手抜きではない

※実際のところここまで単純化するといじるところが限られてなかなかうまくいかない。オーバーレンジなうえに反転させせるビデオにTV-L同期がうまくかからないとか、輝度がリニアに変化する領域とCH1 OUTが合わないとか、PCの出力がエイリアシングやノイズ他で揺れてるとか、機器から出てくるビデオ出力がとか。何かが動いているようなとか模様があるとかそういうのは割と簡単に映せても例で出したような映像を安定して出すのは試行とタイミングが必要。再現性を考えるとオフセットとゲインが可変の反転ビデオアンプと垂直同期生成の回路を作ったほうが簡単かもと思った。

今後の課題というか、その辺。(たぶんやらない)

・10dBくらいの反転増幅器を1CH OUTと輝度変調入力の間に入れる。(とても簡単)
・ノコギリ波発振器をPCではなく、ディスクリート回路で作る(たぶん簡単)。 アナログテレビの垂直同期はブラウン管の偏向ヨークのインダクタンス成分で立ち上がりが遅くなるようになっているらしい。よく考えられている。
・同期分離もディスクリートでしたい。アナログテレビは同期信号のレベルでトリガされるような単安定マルチバイブレータっぽい。これも単純な仕組みでおもしろい。

この二つを実装すればもっとまともな映像で見られると思う。アナログ放送の時代なら、これにAM-TV受信回路とFM音声受信回路をつけてテレビが完成してた

ヤフー知恵袋で「そんなことはできない」「簡単ではない」とか宣う先人のおかげで、テレビを自作する、オシロをテレビにするという長年の夢がひとつ叶った。ありがとうインターネッツの方々。

オシロでテレビを見たい – ゼロの境地へ。」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: オシロスコープで商用電源を直接測ってみる – の回想録

  2. ピンバック: オシロでテレビを見たい。 – の回想録

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