猿腕とBMI

数日前に「猿腕(肘の過伸展)に男女差もヤセも関係ない」と書いた憶測の裏付けをとってみた。

人間の腕は逆にも曲がるのが普通
https://mzex.wordpress.com/2017/05/21/10210/

細身の女子に多い!スラリとした腕の敵「猿腕」って何?
https://moteco-web.jp/diet/20139

正直なとこ猿腕=過伸展ってわけでは無いんだけど、世の中の女子がこの記事に対しては「猿腕は細身とか、そんなわけネ~ヨ」と敵意を抱いている。実際に見た中でも骨張ってる細腕の人が全員猿腕だと感じたことは無いし。

人間特性計測データベース
http://www.tech.nite.go.jp/human/index.html

こっから、同じようにデータをとってきてExcelでちょいちょい加工。

elbowrom2

横軸がBMI、左方向がヤセ、右方向がデーヴ。
縦軸が肘関節の伸展角度(自動可動)。中央が0度、上に行くほど肘が逆に曲がる角度が大きくなる。

一目瞭然。男性は相関なし。女性は母集団から離れた左上(ヤセで過伸展)と右下(太身で伸展制限)に点在する領域がある部分も見られるが、ほぼ相関無し。厳密に見るとちょっと楕円になっている気がしなくもないが、強い相関があるとは言えない。男女とも肘は平均6度ほど逆にも曲がるもの(過伸展)なので過伸展側0~10の間が一番密になっている。0度付近が分布の中心ではない。

次に伸展と年齢の関係を見てみる。今度は横軸が年齢。

elbowrom3

60~70代が密集しているがサンプル数が多いだけ。それより注目すべきは60未満では年齢によらず伸展角度のばらつきがほとんど同じだというところ。確かに-方向に少し傾いてはいるが、やはり年齢と猿腕も強い相関があるとは言い切れない。キャリーアングルとBMIの相関がわかればもっと正確に推測できるはずだけどデータを見つけられず断念。

女性の60未満に伸展-5度未満の領域がほぼ無いのに対して男性は伸展-5~-10度の領域に点在している層があることのほうが興味深い。また0度以上の領域には性差が無いことから、「猿腕は女性に多い」ではなく「伸びない男性が見られる」という表現のほうが良い。

猿腕に細身・太身や年齢、性別はあまり関係ない。と思う。

過伸展ほとんど無いのに二の腕たぷたぷのせいで腕が反ると勘違いしてることもある。見た目で進展度合いを判断する場合は肘窪側(内側)の角度を見る。

小児の関節可動域について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/27/1/27_1_102/_pdf

10歳以下の子どもの他動可動域を調査した結果を見つけた。0~10歳で各年齢ごと20名程度、計403名の調査集計。サンプル数は多くない。

グラフから読み取ると0歳では男女ともほぼ伸展0度、10歳で男児8度、女児10度程度になっている。年齢が上がるほど過伸展も大きくなる傾向で、正常が5度ということになってるが、7~8歳くらいからほぼ全員が異常てことになる。年齢とともに可動域が大きくなるのは生活習慣によるものなのか、構造的なものなのか。具体的な値や偏差は掲載されていないが過伸展は平均9度。いつだったか120度くらいになる子や平然と140度くらい真逆に曲げられる子も見たことがあるから小さい子どもは驚くほど柔らかい人も多いのかと思っていたが、統計的にはそうでもないらしい。

中高生の間では90度越えは見なかったが、それでも60度とか75度とかすごい猿腕だなって人はいた。生活習慣が原因の場合は年齢が進むと過伸展が進行するし10~19歳のサンプルを増やしたら偏差はもっと広がる気がする。過伸展の人は無意識にその範囲で生活しているので、意識して制限するか怪我でもして動かさないよう固定されない限り、体重をかけて伸ばしたりしているとそれなりに広くなっていくと思う。

猿腕とBMI」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 人間の腕は逆にも曲がるのが普通 – の回想録

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