人間の腕は逆にも曲がるのが普通

もう暑いから半袖にかえた。この時期になるとすごい猿腕を目撃されて気持ち悪っ、ていわれる。

腕を伸ばしたとき肘が変に曲がるのを猿腕という。専門用語だと逆に曲がるのは過伸展、反張肘、後屈。横に曲がるのは外反肘、内反肘。長濱ねる城恵理子KARAヨンスンとかが特技とか言って自慢してる。「最近は多い」みたいな老害筆頭の接頭辞もつけられがちだが、ずっと前の小泉今日子が現役のころにも自白してたし、もっと前のドレミの歌の子役もそうだ。男性アイドルでも二宮和也とか伊野尾慧とかK-POPの男性アイドルのだれだかも相当の猿腕だった。でも人間の肘って逆に曲がるのは普通なんですよ。それに気づいてないだけで。反らないのがおかしいとまでは言わないけれど。

人間特性計測データベース
http://www.tech.nite.go.jp/human/index.html
→今はフォームで申請すると生データのダウンロードURLを教えてくれるらしい。
https://www.hql.jp/database/cat/etc/nite_h13-14_funcdb

ここから肘関節の伸展を取り出してExcelでグラフにしてみる。

elbowrom.png

肘の伸展角度の分布はこんな感じ。グラフの山は0度よりも右側に寄っていて過伸展する人が半数よりも多いことがすぐにわかる。数値にするとこんな感じ。

  • 最頻値は男性も女性も6度。頻度2位は8度、3位は男性13度・女性12度。
  • 平均値は男性6.7度、女性8.9度。標準偏差は男性11.0度、女性10.6度。
  • 最大値は男性32度、女性37度。

解剖学的には肘関節の可動域(ROM)は伸展0~5度が正常、女性・子供では~10度は普通。15度以上が過伸展と言われるが、実際の測定値ではボリュームゾーンは5~15度くらい、この範囲だと性差もあまり無い感じ。母数が知れてる統計のデータ内でも35度以上とか40度ちかく曲がる人がいる。統計は自動可動域(補助なしで動く範囲)しかないので、他動可動域(外からの力で動かす)だともっと過伸展側になりそう。他動だと余裕で40度以上な人はざらにいて男女とも複数知ってるし、中には60度とかそれ以上の人も。(そのうちの一人はMarfan-Syndromeだったかもしれない)

まっすぐよりも伸びない側(左側)を見ると、青い部分が目立って男性のが多い。これはムキマッチョで伸展制限があるとかかな。それでも女性と比較して目立つという程度であって、グラフの右側の男性は過伸展するわけで「女性・子供は肘が過伸展する」(=過伸展しないのは成人男性のみ) なんていうより「成人男性には肘が伸び切らない人もいる」くらいのがジェンダーがフリー。

元データから過伸展する人の割合を数値で出してみる。カッコ内は正規分布に当てはめた場合の確率。反る反らないだけなら8割近くが反るし、過半数が5度を超える。4割以上の10~15度だと結構逆に曲がってる感は出るはずで、20度以上曲がる人は両肘の内側をくっつけられる。30度以上は50人に1人くらい。

  • 0度以下 ・・・ 23.7% (23.5%)
  • 0度を超える ・・・ 76.3% (73.5%)
  • 5度を超える ・・・ 61.3% (60.3%)
  • 10度を超える ・・・ 41.3% (42.0%)
  • 15度を超える ・・・ 23.5% (25.4%)
  • 20度以上 ・・・ 13.2% (13.0%)
  • 30度以上 ・・・ 1.35% (2.00%)

はっきりいって肘が逆に曲がらない人は0度を含めても2割、5人に1人しかいない少数派。15度以上反るような人は25%、4人に1人いるわけで逆に曲がらない人よりも多いし、20度以上曲がる人だって統計的には7人に1人はいることになる。程度の差はあっても8割の人は腕が逆に曲がる。日本語には「指が手の甲につく」を意味する単語は無いが「腕を伸ばして両肘がくっつく」を意味する単語は「猿腕」として国語辞書にも載ってるくらいだし、腕逆に曲がってるキモい、そんなに曲がるわけ無いなんていう人は己がマイノリティだと思い知るがよい。

よくいう猿腕とはどういうものかは次のサイトのイラストがわかりやすい。(内容は若干疑問)

細身の女子に多い!スラリとした腕の敵「猿腕」って何?
https://moteco-web.jp/diet/20139

こっちのほうが正確かも。医学用語としての「猿手」がこれとは違うことは気にしない。
肘が曲がっている!?猿手の特徴と肘が痛くなった場合の対処の仕方は
https://ne-stra.jp/11123.html

これは肘が後屈して伸びすぎる過伸展(反張肘)によるものと、腕が肘から外側に反る(外反肘)キャリーアングル(外反角)、向きによっては内反肘によるものがあって、これに肩の回転や上腕三頭筋まわりの弛み(二の腕振り袖)が組み合わさると「曲がりすぎー」に見えるのが俗に言う猿腕・猿手だっていうのが自分的な結論。外反角が大きいと過伸展無しでも猿腕状態になるから、生理的外反の程度が大きい女性に猿腕が多いというか大半がそうだというのはたぶん正しい。それに生理的外反は男性も外反0度ではなくて解剖学的には外反5度が標準。今回確認した過伸展度合いだけを見れば男性女性はそれほど関係ないし、ヤセとか太ましいも関係無い様子。過伸展も関節の形状によるものと、靭帯が緩くて亜脱臼してる場合がある。関節の形状による場合、肘を伸ばし切ったときにガチッと止まる。これが普通だけど亜脱臼できる場合は、伸ばし切っても止まらずもっと逆に曲げられる。おそらく関節を外さずに反らせるのは40度くらいが限度で、60度とかそれ以上になる極端な人は亜脱臼させてるんだと思う。

人間の腕は逆にも曲がるのが普通」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: の回想録

  2. ピンバック: の回想録

  3. ピンバック: 猿腕とBMI – の回想録

  4. ピンバック: 腕を逆に曲げてみる。 – の回想録

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